市松蓮(ichimatsukun)は、日本のアーティストであり、音楽家、表現者、そしてオンラインコミュニティ運営者です。
表現の根幹には「固定」「反復」「狂気」といったテーマがあり、それらを一貫したスタイルで発信し続けています。
主な活動領域は、ミニマルでヘヴィな音楽の製作・発表、音楽NFTの発行、独自コミュニティの構築、そしてInstagramでの自撮り表現にまで及びます。
Instagramでの「固定と反復」表現
彼の代表的な表現の一つは、毎日同じ服装で自撮りを投稿するという行為です。
2020年頃から始まり、2025年現在で2,100投稿を超えています。
撮影場所は毎回自宅で、iPhoneを三脚に固定し、外出前の数秒で撮影。
構図やポーズ、ライティングを意図的に「変えない」ことで、日常と形式の「狂気」をあぶり出すような作品群となっています。
視覚的な創造性を追求するのではなく、「同じことをし続けること」自体を美学として提示しており、これは一種のコンセプチュアルアートでもあります。
ポーズや光すら固定し、偶然のブレすらも「ノイズ」として記録されるこの作品群は、「崩れなさ」の中に生じる人間性や執着、そして狂気を表現しています。
投稿は3枚ずつまとめてされることが多く、「反復」に「まとめ」という構造も付加されています。
内容の変化を避けているため、プロモーションなど他用途の投稿は行わず、必要があれば別アカウントを使用する方針です。実際に @icmtkn というアカウントがあります。
音楽活動(Ichimatsukun/市松蓮)
音楽面では、ミニマルで重く沈んでいくようなサウンドを制作しており、歌詞のないインストゥルメンタルが中心。
使用楽器は主にエレキギターとドラムマシンで、構成やサウンドは抽象的で内省的、夢のようで無機質な世界観を形成しています。
この音楽性は、いわゆるミニマリズム思想の影響もありますが、それ以上に、本人の内面的なメランコリーや閉塞感から自然と滲み出たスタイルであり、明るさや派手さを排除し、淡々としたループとノイズの中に感情を沈めていくような作風が特徴です。
2025年5月には、3作目となるアルバム『SCHEMA』をリリース。製作順は、コンセプト → 曲名 → イラスト → 音楽、という通常とは逆のアプローチを取っており、アルバム全体が一つの抽象的な設計図(スキーマ)として構成されています。
市松蓮名義のJ-POPプロジェクト
「市松蓮」という名義では、J-POP形式の楽曲で歌唱も担当しています。
まだ一曲しかリリースしていませんが、こちらの音楽性はichimatsukun名義とは対照的で、より現実的で日常に根ざした表現が多く、日本語詞の中に感情や人間関係を描写します。
曲調は作曲者により変化する見込みですが、全体的には繊細で、聴き手の共感を誘うような世界観が特徴です。
J-POPとしての親しみやすさを持ちつつも、独自の言葉選びと内向性が強く表れます。
音楽NFT活動と収益戦略
ichimatsukunは、音楽NFTの可能性を信じ、早期から取り組んでいるアーティストの一人です。
NFTは主にHEXAで販売されており、価格は1,000円と手ごろですが、あえて販売数を絞ることで価値の希少性を高め、長期的に二次流通の価格上昇を狙う設計となっています。
万人受けしにくい音楽性のため、Spotifyなどで大量の再生数を目指すのではなく、コアファンからの直接的な支援(NFT購入・コミュニティ参加)を重視しています。
NFT購入者限定特典などは用意しておらず、「特典で釣らず、作品そのものに価値を置く」という方針を貫いています。
なお、「ichimatsukun」という名義は、OpenSeaというNFTマーケットプレイスで使用していたアカウント名が由来です。
オンラインコミュニティ『左脳』
Discord上で展開されるオンラインコミュニティ『左脳』は、「つくる人とみる人の溜まり場」をコンセプトとし、表現者同士が試行錯誤や製作過程を共有し合う場所として運営されています。
立ち上げ期間においては、参加者はクリエイターが中心で、表に出しにくい創作の悩みや葛藤を閉じた空間で共有できるよう工夫されており、共感と対話を通じて、創作の持続を支える環境となっています。
市松蓮の音楽活動のプロセスもここで共有されており、音源やヴィジュアルのボツ案の公開や製作過程の共有など、通常のSNSではできない深い活動が展開されています。
現在は立ち上げ期間として、先着30名を永続的に無料で招待中。今後はクリエイターに限らず、市松蓮の活動を応援するサポーターが参加しやすいコミュニティへと広げていく予定です。
その他の特徴・活動
- 毎月第4日曜日にInstagram LIVEを実施。過去のライブはリールで公開。
- 年に一度、クリスマスに公園で洗顔するという風変わりなパフォーマンスを行っている。
- 表現全体において「逆張り的な姿勢」や「少数意見から入るスタイル」が強く、独自の視点から創作や文化を捉える傾向がある。
- 使用する表現では絵文字をあまり使わず、●▼*などの記号で代用することが多い。
- 趣味・特技は音楽制作、言語的な遊び、発想の逆転。視野の広さと独自の切り口で物事を観察する力に優れるが、ADHD傾向があり、集中力にムラがある。
- 動画や画像編集、Discord導線設計など、技術的なスキルも一定レベルで自立して行える。
キャッチコピー(自己紹介文として使用中)
Minimal. Heavy. Madness.
ミニマルで重く沈むようなサウンドと、固定と反復の中に潜む狂気を主題に表現を行うアーティスト。
音楽とヴィジュアル、いずれの表現においても、「削ぎ落とすこと」と「繰り返すこと」に重きを置く。
